変化する花の色-チョウとの不思議な関係-
チョウと花

「あなたは知恵をもってそれらをみな造られました。地はあなたのもので満ちています。」聖書 詩篇 104篇24節

聖書はこの地球上のすべてのものが,神様の知恵をもって造られたと語っています。私たちは,例えば,生き物たちの互いのやりとりを通して,そのことを見つけることができます。

花の色を見わけるチョウ

ワイズという研究者の,1991年の報告を例にあげてみましょう。ある植物は,花が咲いている間に,花びらの色が変化します。そのような植物に,蜜を吸いにきたチョウは,色が変化してしまった花にはあまり見向きもせず,色が変化する前の花にとまるのだそうです。

彼の調査によると,色が変化してしまった花というのは,すでにめしべ(柱頭)に花粉が付着し,おしべの花粉もほとんど無いそうです。おまけに,チョウの目当てとする蜜もほとんど無いとのことです。一方チョウの方はというと,羽化したばかりのチョウは,羽化後何回か花にとまり蜜を吸った経験のあるチョウに比べ,色が変化してしまった花へとまる割合がかなり高いそうです。つまり,ある程度経験することで,蜜のある,花を見分けることができるということなのです。

これらのことから,植物は,花粉の運び屋であるチョウに,花の色の変化を通して,蜜の有無を教えているのではないかと考えられます。これは,植物にとってもチョウにとっても都合がよいように思われます。なぜなら,チョウは,速やかに,蜜のある花と無い花を見分けることができますし,植物にとっては,まだ受粉のしていない花へ花粉を効率よく運んでもらうことができるからです。

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