馬の系統図
進化の証拠としてよく取り上げられるものに、馬の系統図があります。この系統図は、小さくて3本の足指を持つヒラコテリウムという動物から、いくつかの中間段階を経て、大きくて一本の足指を持つ現代のウマ、エクウスに至るという進化図です。この系統は、現在ではさらに複雑な系統に枝分かれしていると主張されていますが、ヒラコテリウムからエクウスに至る系統は今でも維持され、教科書などにも、それらを順番に並べた図が載せられています。
馬の系統図
この系統図は本当に真実で、進化を証明しているものなのでしょうか?
答えはノーです。それは次の理由によります。
- もしそれが真実であれば、最も初期の化石は一番下の地層から見つかるはずですが、ヒラコテリウムの化石は表層の近くから発見されています。また、現在の馬の化石と並んで発見されることもあります。
- これらの化石がこの系統図のとおりに連続的に発見された場所は世界中どこにもありません。実際は、複数の大陸から集められた化石の破片が、進化論の推測に基づいて並べられたものです。
- この図の通りに進化したとすると、肋骨の数はヒラコテリウムでは18対、ヒラコテリウムとメソヒップスの中間型とされるオロヒッパスでは15対、また、プリオヒッパスでは19対、そして現在の馬では18対と変化します。また、腰椎の骨の数も、初めは6で、中間で8、そしてまた6となります。教科書などでは、体の大きさや足指の数、大臼歯が強調されていますが、これらの変化については載せられていません。
- ヒラコテリウムからエクウスまでの進化の系統では体の大きさが次第に大きくなって行くと主張されています。しかし現在の馬の大きさは、最も大きいクライズデール種(高さ:163-183cm)から、ファラベラ種(高さ:71-86cm)と様々です。これらはどちらも馬に属する種類であり、大きさの変化を進化の過程とする根拠はありません。
- ヒラコテリウムは系統図の他の動物とは著しく異なっており、馬ではなくハイラックス(イワダヌキ)の変異系であると考えられます。
結論として、馬の系統図は、進化論が正しいという仮定のもとに、様々な問題を無視して作られたものです。これを根拠に進化論が正しいということは、明らかな循環論法であり、客観的に正しい科学ではありません。
(※循環論法・・・証明すべき結論を前提に用いる論法)