人類最初の全身麻酔手術
人類最初の全身麻酔手術
最初の麻酔の実験風景

麻酔ーそれは、医学が人類にもたらした最大の恩恵のひとつと言えるでしょう。全身麻酔とはご存知のように、薬物などによって眠らせ、痛みなどの感覚をまひさせることです。これによって手術を行うことも可能になります。現在日本人の死因のトップはがんですが、そのがんを取り去る手術も、全身麻酔無しには行えません。

日本で最古の全身麻酔は江戸時代に華岡青洲がチョウセンアサガオを用いて行ったことは有名ですが、世界的には1800年代からエーテルという物質を用いて全身麻酔が行われ、「麻酔」という用語もこの頃から用いられるようになりました。

1840年代、英国の産婦人科医ジェームズ・シンプソンによって、このエーテルやクロロホルムを出産に使用した無痛分娩が行われました。すると当時のカトリック教会から、聖書の「(神は)女にはこう言われた。『わたしは、あなたの苦しみとうめきを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。』」(聖書 創世記 3章16節 )に反する無痛分娩は、非聖書的であると批判されました。シンプソンはこれに対し、同じ聖書の創世記の2章21節の御言葉から、神も麻酔を行うと反論しました。(参考文献1,2)

この創世記の2章21節とは、以下の御言葉です。

「神である主は、深い眠りを人に下された。それで、人は眠った。主は彼のあばら骨の一つを取り、そのところを肉でふさがれた。」

これは、今日の言葉で、"全身麻酔を施し、肋骨を切除し、その後に縫合した"と言うことができるでしょう。聖書にまったく初めて触れたノンクリスチャンのある医師は、この箇所を読んだ時、聖書に全身麻酔下の手術が記述されていることに驚いたといいます。

この聖書の創世記は、紀元前1400年にモーセという人物よって書かれました。そこには、その時代よりはるか以前のできごとが記されています。人類にとっての麻酔の歴史は1800年代に始まったのではなく、紀元前のはるか昔に始まっていたのです。そして最初の全身麻酔は人類によってではなく、神によって行われたと聖書は記しています。

人類最初の全身麻酔手術
創世記2章21節を題材にした作品

もし聖書が人間が書いた単なる宗教の経典であるならば、人類の医学が進歩し麻酔を行うはるか以前に、まさに麻酔の記述が聖書に書かれていることを、どのように説明することができるでしょうか?

聖書は神の御言葉であり、神が真の著者である。これが人類最初の全身麻酔手術が聖書に記されている理由です。

参考文献:
1) http://www.anesth.hama-med.ac.jp/Anedepartment/masuinorekishi.asp
2) http://www.imu-dent-aa.com/murai.pdf
3) http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/anesth/book/40/1.pdf?1369889307

医学博士 浜口千佳子