なぜ、雪はこのような形になるのでしょう?
雪の結晶(※)
結晶の中の規則
雪は、氷とは違い、上空の水蒸気が雲の中で凝固(気体が固体になること)したものです。水蒸気では、水の分子はばらばらに飛び回っていますが、固体の雪になると、分子は規則正しく並ぶのです。このようなものを結晶といいます。
水の分子 | 結晶中の分子の並び方 |
1個の水分子の大きさは約0.15ナノ・メートル(ナノは十億分の一)で、顕微鏡でも見ることができませんが、X線を使うと結晶の中の、分子のようすを調べることができます。X線の実験の結果、雪の結晶は右下の図のようになっていることがわかりました。これは雪の結晶を真上から見た図で、この方向から見ると、正確な正六角形になっています。この小さな結晶の周りに少しずつ水の分子がつながって、雪の結晶が成長するのです。
空気に含まれる水蒸気が適当な量のとき、結晶の外側に行くほど分子がつながりやすくなり、六角形の角の部分が早く成長します。そのようにして、よく知られている雪の結晶の形ができると考えられています。しかし、どうしてあんなに千差万別のきれいな模様ができるのか、まだ全てはわかっていません。
世の中にある物質の多くは、雪と同じように結晶からできています。食卓にある食塩や、体の中のDNAも結晶なのです。とても小さな結晶が集まってできていて、一目ではわからないものもたくさんあります。このように、多くの物質は一見でたらめな形に見えますが、実は、定規で測られたかのように、とても整然とした規則的な造りを持っているのです。
雪の美しさや、結晶の規則正しさを見るとき、この世界を支配する法則があることがわかります。それらの法則が、偶然にできたとは信じられません。私たちはこのことを通して、法則を定め、全てのものを造られた創造者がおられることを知ることができるのです。聖書は次のように教えています。
(※…中谷宇吉郎 雪の科学館「天から送られた手紙」より)
理学博士 吉尾圭司