進化はウィルスによる伝染病(参考資料1)、または、人類は生物がウィルスと共生して進化してきた(*注釈1)結果である(参考資料5) というこの仮説は、果たして正しいのでしょうか?

ウィルス進化論の弱点

ウィルス進化論の弱点は、その背景となる発見と進化との関係が全く明らかにされていないことです。

逆転写酵素はウィルスが遺伝子の運び屋であることは教えてくれますが、運ばれた遺伝子はレトロウィルスに感染した生物にとって病気を引き起こす原因にしかなりません。また、フラグメントは実際存在しますが、それがウィルス化石かどうかは推測の域を超えるものではありません。

ウィルス進化論は、「まず進化ありき」の進化論であると言えます。

進化という前提に立って見れば、逆転写酵素もレトロウィルスフラグメントもウィルス進化のストーリーの証拠に見えるかもしれません。しかし、もし進化という前提をいったん白紙にして考える時、この二つの発見のみによってウィルス進化論を述べるのは、かなりの想像力が必要とであると言わざるを得ません。

ウィルス感染で進化?

ウィルスが遺伝子の運び屋として進化をもたらしたという説は、ミッシングリンクの問題をクリアできる(参考資料1)魅力的な説ではありますが、明確な証拠となる研究結果はなく(*注釈2)、未だ説の域を出ません。

人類は一体どこから来てどこに向かっているのか、それはまず聖書に聞くべきではないでしょうか。

「はじめに神が天と地を創造された。」聖書 創世記 1章1節
「わたし(イエス・キリスト)はアルファであり、オメガである。最初であり、最後である。初めであり、終わりである。」聖書 ヨハネの黙示録 22章13節


注釈・参考資料

注釈1: 人間に共生し、人間に利益をもたらすと解釈される場合もあるウィルスも存在しますが、それらは逆転写酵素を持っていないウィルスです。逆転写酵素を持ったレトロウィルスで代表的なウィルスはエイズウィルスですが、人間にエイズという恐ろしい病気をもたらします。

注釈2: 哺乳動物の胎盤に欠かせない物質がレトロウィルスのフラグメントであるという研究結果(参考資料6)が、進化の証拠であるという主張(参考資料5)もあります。しかし実は、このフラグメントはRNAなどの遺伝子ではなく、遺伝情報を持たないウィルスのエンベロープ(殻)でした。この研究結果からは、レトロウィルスが遺伝子の運び屋であるとは言えません。

参考資料:(1)佐川峻 中原英臣/著 2018年4月22日発行 新・進化論が変わる ―ゲノム時代にダーウィン進化論は生き残るか 講談社
(2)Temin HM, Mizutani S (June 1970). “RNA-dependent DNA polymerase in virions of Rous sarcoma virus”. Nature 226 (5252): 1211-3.
(3)嘉糠洋陸 忽那賢志/編 2015年10月20日発行 感染症 いま何が起きているのか 基礎研究、臨床から国際支援まで 実験医学増刊 Vol.33 No.17
(4)Belshaw R, Pereira V, Katzourakis A, Talbot G, Paces J, Burt A, Tristem M (Apr 2004). “Long-term reinfection of the human genome by endogenous retroviruses”. Proc Natl Acad Sci USA 101 (14): 4894-99.
(5)朝長啓造 2017年10月 ウイルス化石か゛語る生命の進化 京都大学学術情報リポジトリ
(6)Mi, Sha, et al. “Syncytin is a captive retroviral envelope protein involved in human placental morphogenesis." Nature 403.6771 (2000): 785-789.


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(医学博士 浜口千佳子