思い違いによる永遠の損失
タイタニック号

世界最大の豪華客船タイタニック号は、様々な話題の中で、1912年4月10日、イギリスのサザンプトン港からニューヨークへの処女航海に滑るように走り出しました。その船は造船技術の粋をつくした絶対不沈の安全な船といわれ、工員のひとりがペンキで船底に「神様だってこの船を沈められるものか」と落書きするほどでした。

しばらく航行したタイタニック号は、近くの船から電信を受信しました。「ヒョウザンニチュウイセヨ!」。しかし、彼らは何通もの警告電信を無視し、予定通りのんきに航海を続けました。4月14日、午後11時40分「氷山だ!」。マスト上の見張り員の叫びと共に、豪華客船は氷山に激突したのです。船は最悪の損傷を受け、どんどん浸水してゆき、救命ボートは船の安全性を過信していたために、乗客員数の半分しか用意されていませんでした。船内はひどい混乱に陥り、われ先にボートに乗ろうとする人々の命をかけた争いは実にみにくいものでした。

やがて、タイタニック号は船尾を高く上げ、悲しみにふるえるように沈んでゆき、人々の叫び声も波間に消えてゆきました。 『タイタニック号遭難! 溺死者1513人、救出者711人。』 このニュースは全世界を駆けめぐりました。

私たちはこの事件から大切なことを学びます。それは「絶対に沈まないという思い違い」です。

人間は誰でも様々な思い違いを経験します。しかし、自分の人生と死後に関する思い違いは、取り返しのつかないことになるのではないでしょうか。それは何でしょうか。

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