アダムのあばら骨から造られたエバ
世界最初の人間、アダムとイブ(聖書ではエバ)の名をお聞きになったことがある方も多いでしょう。聖書の最初の書物「創世記」を読むと、まず最初の人アダムが造られ、次に
「神である主は、人から取ったあばら骨を一人の女に造り上げ」(聖書 創世記 2章22節)
と書かれています。
(神が「深い眠りをその人に下された」という同21節の記述から麻酔という医療技術が生まれました⇒こちら)
もし、"男のあばら骨から女が造られた"と20世紀の人々が聞いたら、どう思ったでしょうか? それはおとぎ話としか聞こえなかったに違いありません。では現在はどうでしょう?
iPS細胞
2007年、山中教授の研究グループが、人間の皮膚細胞からiPS細胞の樹立に世界で初めて成功し、2012年にノーベル賞を受賞しました。
このiPS細胞(人工多能性幹細胞)とは、非常にざっくばらんに言えば、赤ちゃんのもととなる「精子と卵子が結合したひとつの受精卵」のようなものです。人間の受精卵は、1個の細胞ですが、人間を構成しているすべての細胞に分化していきます。そして私たち人間が人間の身体を持って産まれて来ます。
研究グループはすでに分化している体細胞に操作を加え、未分化の細胞に戻す(変化させる)ことに成功し、それをiPS細胞と名づけました。未分化であるiPS細胞は多種多様の細胞に分化できます。ですからiPS細胞を利用して、人の体を作っているどのような細胞も理論上は作製可能です。再生医療などへの応用が大いに期待され、現在も研究が押し進められています。
あばら骨から人を造ることは可能か
ということは、iPS細胞をもとにして、人体を構成できる可能性があるというわけなのです。人のあばら骨の細胞からiPS細胞を作製し、それをもとに人体を作り上げる科学技術、それは今や全くのおとぎ話ではないのです。
その科学技術に関して聖書は2000年以上も前に述べています。聖書は人類の科学の進歩の先を知っています。なぜなら聖書は神の御言葉だからです。
「昔あったものは、これからもあり、かつて起こったことは、これからも起こる。日の下には新しいものは一つもない。」聖書 伝道者の書 1章9節
「あなたは聞いた。さあ、これらすべてを見よ。あなたがたは告げ知らせないのか。わたしは今から、新しいことを、あなたの知らない秘め事をあなたに聞かせる。」聖書 イザヤ書 48章6節
参考:http://www.cira.kyoto-u.ac.jp
医学博士 浜口千佳子