以上のようにキリストの葬られた墓が空であった事実、何百万人ものクリスチャンが命を捨ててまで残してきた証言、また聖書に記載されているキリストのよみがえりを否定しようとした批評家が聖書を調べ尽くしても否定しきれず、ついに回心したなど、これらの歴史的事実から容易に一つの結論が出てきます。それはキリストは本当に墓の中からよみがえられたということです。
キリストのよみがえりは、当時起こったどのような事件よりも確かな証拠があり、これを疑うならば他の歴史的事実をも疑わなければならないのです。なぜなら、それらの多くは、キリストのよみがえりに比べ、はるかに証拠や証言に乏しいからです。キリストのよみがえりは、私たちにとっても無視できない事件なのです。
この出来事によって人間にとって非常に大切なことが明らかにされたのです。それは、イエス・キリストが確かに神の御子であり、私たちの救い主であるということです。
イエス・キリストがお生まれになる以前に書かれた旧約聖書に、神の御子が人となって来られるという預言が記されており、また、キリストご自身何度も「わたしは三日目によみがえります」と言われました。そしてその通りによみがえられ、弟子たちの前に何度も現れ、四十日後に天に昇って行かれたのです。キリストは今も生きておられるのです。死からよみがえられ、天に昇り、今も生きておられるという事実は、彼が神の御子であることの証拠なのです。
この世界で死に打ち勝った人はいません。どんな支配者も権力者も死んでいきました。しかしキリストはよみがえられたのです。釈迦、孔子、マホメット、ソクラテスなどの教えは、世界に大きな影響を与えたことは事実ですが、彼らも死んでしまいました。キリストは神でなければ決してできない死からのよみがえりを示し、ご自分こそ命の根源であることを証明してくださったのです。
また人間はどこから来たのか。そして何のために生き、死後どこへ行くのか。これらの問題に多くの者が取り組み、さまざまな意見を出してきましたが、真の解答と納得のいく証拠を示すことはできませんでした。しかしキリストは、これらの問題に納得のいく解答を示してくださいました。では、よみがえりの力さえ持つお方が、どうして十字架にかかって死なれたのでしょうか。