有神的進化論

神が人間を創造した。しかし、それは進化という過程を通してである―このような考え方を「有神的進化論」と言います。

創世記第1章では、神様が一日ごとに世界を創造される様子が書かれていますが、この考えに立つ人々は、この一日を24時間ではなく、一つの時代と解釈します。しかしそれには多くの矛盾があります。日を表すヘブル語の「ヨーム」という言葉は、旧約聖書中2000回以上使われ、95%が24時間または一日の昼の時間の意味で用いられています。「第一日」のように数詞が伴う場合は全て24時間であり、この箇所だけ例外的に解釈するのは無理があります。

生物学的に考えると、多くの植物は花粉の受粉などの際に、動物との共生が必要です。植物が造られた第三日が24時間でないとすると、植物だけで一つの時代を築くのは不可能です。

共生する花とミツバチ

共生する花とミツバチ

また、進化論は適者生存という概念を含んでいます。それは生存に有利な生物だけが生き残るという考えです。聖書のマタイの福音書10章29節には、「そんな雀の一羽でさえ、あなたがたの父の許しなしに地に落ちることはありません。」と書かれており、神様の愛のご性質が表されていますが、進化の過程は、この神様のご性質に反しています。創造が進化を通して行われることはあり得ません。有神的進化論は、聖書の御言葉を正しく解釈しない、誤った考えです。

参考:変化する花の色:チョウとの不思議な関係

(理学博士 吉尾圭司
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