不思議な人体の知恵①~死はカラダにプログラムされている~

免疫の不思議な力

図1 見わける力を持つリンパ球図2 胸腺で訓練されるリンパ球

「免疫」とは何でしょう。ひとことで言うと、それは「自分の体を守る働き」です。

体の中を流れているリンパ球は、「自分と自分以外のものを見分ける力」を持っています。リンパ球は、体内に自分以外のもの、例えば他人の細胞やばい菌などが入ってくると、外敵だと見分け(図1)、攻撃し、体を守ります。

ところで、リンパ球は、できてすぐには、この「見分ける力」を持っていません。できたばかりのリンパ球は、心臓の上にかぶさるようにある「胸腺」(図2)に行き、不思議なことにそこで訓練されて「見分ける力」を身につけます。

では実際どのように体を守るのでしょう。その方法の一つは、「抗体」を使って攻撃するものです。リンパ球にはそれぞれ違う形の鍵穴のようなものがあり、そこにぴったりと合う鍵であるばい菌がやってくると(図3a)、リンパ球は「抗体」を作り始めます。そして、この「抗体」という、いわば鉄砲玉のようなものが、ばい菌に向かってどんどん発射され(図3b)、ばい菌は死んで、体は守られます。

図3a 鍵穴に合うばい菌が来ると… 図3b リンパ球は抗体を作り始めます

<< 前のページ 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 次のページ >>